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なつ

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海の日的三連休の中日、柏の夢ファームで行われたAREth的BBQ&スケートボードに急遽参加し、この鬱蒼とした雨の日々に突如訪れた至福の時間。その久しぶりに遊び切った感覚に熱中症の余韻とともに浸りながら本格的な夏の到来を肌で体感しつつ、株分けした花麒麟の鉢を買いにいった東急ハンズで10代の頃からずっと欲しかったウツボカズラがいっぱいぶら下がってるのが目に留まり即購入。昔は手に入りにくかったような、売ってても結構良い値段してて手が出せなかった記憶もありますが、とにかく一株2000円で手に入れる事が出来、続ク良イ夏ノ幕開ケ感。

食虫植物の代表格であるウツボカズラにはちょっとした虫取りにもなってくれるんじゃないかという淡い期待も寄せつつ、「食」と言えば最近読んでいるWIREDの食べ物特集が結構面白かった。特にSoylentの記事は興味深い。個人的には惰性で食べるのも、健康や安全にやたらうるさいのも、あまり好きじゃないし楽しくなければ美味しくもない。たとえどんなに栄養が無いと言われようが夏にはキュウリが無性に食べたくなるし、効率だけを考え栄養価だけを摂取しようとするソイレントなんて全く宜しいと思わない。けれど近未来SF的強迫観念に軽く取り憑かれてる自分は逆にさらなる進化を期待してならない…。でもこの作ってる人たちは数年後には普通のモノを食べてそう。この号の中で地味に好きだった記事は「鉢植え都市」。常々庭が欲しいって思っていたけれど、鉢植えも良いもんだなと、そうこうして僕のマインドはうちに来たばかりのウツボカズラへとまた戻っていくのでした…。

Crappiest Lens Ever

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自分自身がそうですが、今や有る程度のお金を出せば誰にでも奇麗な写真や映像が撮れてしまう簡単な時代(実際誰にでも出来るほど簡単な事では全くないですが、少なくともそこそこの機材は手に入るし)、最近じゃハイスピード撮影も随分お手頃で楽しくなり、電話が腕時計になれば人はその新しいモノにこぞったりこぞらなかったり、いずれ腕時計で4K撮影が当たり前になる日も来るかもしれないし、そんな日はこないけれど腕時計からホログラムが出る日は来るかもしれないし、少なくとも僕自身は日々急速に進む技術革新の恩恵にあやかりながら、むしろ全面的に頼って仕事したり生きているわけですが、やはりちょっと単一的な気がして面白くない。

なのでレンズをこしらえました。思い起こせば何年か前に一度考慮した事もある自作レンズ。といってもガラスの球面から削り出す、とかの次元ではありませんが。そして、良い物を作るとなると事は明らかに難しいけれど、悪い物を作るというのは比較的簡単そうなので、ポンコツレンズを目指し、愛嬌と固有の味わいを求めて。

とりあえず初めての事である以上それほどの成功も期待せず、ひとまずジャンク品をかきあつめて直感的に目指した着地点は「ちゃんと撮れない」。しかし考えてみれば単純な光学も頭の中には無いしレンズの仕組みも知らないで適当にガッチャンコさせただけなので、思いのほかイメージ通りな描写をつくり出す結果には至りませんでしたが、まずはの1本目ということで十分遊べたし、良くも悪くも世界に1本なわけなので、これはこれとして、何か映像でアウトプットしてみようと思います…。

OUGHT S/S 2015

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OUGHTの2015年春夏カタログ。
今回はどんな生き方を選んでも必要不可欠な「食」を絡めたコンセプト。

(”全て”の生物が食べる必要は無いにしても…)それが出来なければその生命の維持に関わる問題であるし、貧富を問わず誰しもが常に腹に入れるモノを工面せねばならないわけですが、そこには当然食の選択や味の追求というものも日常的に行われているわけで、それは一般的にこれだけ食文化や食にまつわる経済が大きく発展しているという事を見てもとれるように、「食」は単なる生命維持の本能的なプログラムのみならず、これはきっと快楽や生きてる目的の一つと言えよう、blah blah blah…

そんな理も分からず独りグルグルと考え出すとあまりに根源的すぎて脳ミソは悲鳴をあげるだけで、つまりはこの強引な紐づけ作文もままならず。ただとにかくこの人間社会で明日へとつながる食料をどういう手段にせよゲットし続けるのは基本原則、しかしそれだけの日々のルーティーンワークと化した食生活を送っているだけではちょっと面白くない、そして生きてる限り時間もお金も費やす対象でもある以上は何かもう少し欲しい。個人的にはそれこそ衣食住のみならず全ての物事に関して思うことですが、「金を出せば良い」でもないし、「美味しければ良い」でもない。そこはまた一つOUGHTの掲げる基本コンセプト「Nothing More, Nothing Less.(それ以上でもなく、それ以下でもなく)」にも通じる部分があるのかなと。禅問答のようだけれど、「なぜ人参?」という疑問が立つのであれば、「なぜ食べる?」もまた然り。この時として当然を当然視しないというグルグルとした思考をふまえつつ、今回はその「当然性」と同時に生活に彩りをもたらす「食」というモノの要素を少し加えることで、OUGHTらしいHOBO感に日常的なライフスタイルを掛け合わせてみました。要はその「当然なモノ」で彩りを添えた普通の画作りです。

僕のごたくはそこそこに、OUGHTのカタログ制作に僕が関わり出した2011年秋冬から続けてきたハガキサイズ。こじんまりと輪っかでつながりDIY感の漂っていたそのスタイルも振り返れば9シーズンほど続けて来ていましたが、今回様々なタイミングや理由を含んだ”頃合い”というモノもあり、以前のサイズよりも一回りほど大きくし(それでも小さいですが…)普通に中綴じへと仕様変更、変わらずオフセットの上質紙では表現しきれませんが、平間さんによる写真もまたフィルムに戻り、粒子の味わい深い仕上がりかなと。

Model : Remi (BE NATURAL)
Photography : Hirama Takashi
Hair : Musumi Miura
Location : debolbe Studio & Warehouse (debolbe.com)

http://www.oughtclothes.org/

Still Wandering

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前回OUGHTの2014年秋冬用に考えたコンセプトとカタログのビジュアルではだいぶインナーに持って行った分、今回の2015年春夏はその”夢想”感から脱却すべく無関連に柑橘類を描こうとしてみたり季節感だけを意識して非コンセプチュアルなアプローチを目指していたものの、着地点が見えてこないまま締め切りにも迫られながら同時に様々な事に思惑しているうちに、最終的には前回のコンセプトに用いた「Mind Wandering」という言葉にも引っ掛けつつ、そのグルグルとした出口の見当たらない思考現象から文字通りに「Still Wandering」というテーマに落ち着きました。

グラフィックを直接的に説明すれば、ハットをかぶった、無作為に描かれた線で形作られた人の頭部。そこにはやはり思考的な意味合いも含まれ続けますが、文字通り「未だ放浪中」的な、先の見えない人生の旅を右へ左へ前へ後ろへグルグルグルグルと続けていく、現代におけるHOBO的な生き方を落とし込みつつ。
そのグルグルとした線は、誰しもが残してきた人生や思考の足跡であると同時に、善し悪しや正否の概念とは無関係かつ無条件に積み重ねられた経験であり記録である、という普遍的な意味合いも込めたデザインです。

というわけでIndyvisualでまたもカタログに先駆けて販売中です。

Salida

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Salida(出口)へと一方向に流れるように、また断続的に進む事象と時間。
ただそれが出口とは限らず、出口のようで入り口でもあり、入り口のようで出口でもあり、時としてループを繰り返す。脱却をしようとすればするほど抜けることはできず、答えを求めたところに答えは存在しないもの。陰をつけない事で平面としての二次元の空間を五次元的に捉え、そんな正負も無い淡々とした思考の世界をイメージしてみました。過去数年を振り返りつつ、思うようなことが出来なかった2014年の思惑を一度に吐き出し・払拭しつつ。

1250 x 550 mm
acrylic on wood panel