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OUGHT F/W 2014

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暗く、黒く、とにかく暗く。

今年の春夏のときには兎にも角にも明るく、白を飛ばすイメージでやった反動も手伝ってか、今回の秋冬はグラフィックデザインからのコンセプトから来てる部分も大きいけれど、漠然と背景を真っ暗にしたいぐらいに思っていました。最初はどこかお化けの出そうなトンネルでの撮影なんてのも探りつつ、最終的には背面からプロジェクターを当ててのスタジオ撮りに。
時間も限られてる中撮影前の数日間に、夜中に街中で適当に撮影した映像素材を最近覚えたAfter Effectsを使っていじっては、シャッターを切るまでは画が全く分からない手探り状態の作業に不安も覚えつつ、テストシューティングも出来ない超実験的な流れに。さすがに今回は状況的にもフィルムは使えずデジタルのみでの撮影でした。そして仕上がり画が全く見えてなかったからこそ、その暗闇の中から偶然性によってつくり出される写真の数々。ある程度ギリギリのラインで服のわかる写真を選んだつもりですが、さらなる雰囲気重視でいけばもっと実験的というか前衛的というのか、面白い写真もたくさんありましたし、もしかしたらindyvisual店頭では使われるカモ?です。

しかしこの暗さ、だいぶ攻め過ぎかも、そんなことが印刷があがって来た後ですら脳裏をよぎりつつ、口にも出しつつ、ただもはやそもそも大多数に向けた物を作っているわけではないので、この暗闇の中にはそれを知る人にしか見えないモノがあるのかなとは思っています。その言葉には幾つかの含みを持たせつつ。
己のエゴとも言えますがあくまで表現にこだわりメインである服やモデルを見せること以上に雰囲気を重視し、そうすることで視覚的であると同時に、むしろそれ以上の感覚的な方向性でスタイルの表現ができていれば良いなと。

ただ今回印刷の方は諸事情色々というのもあり、いつも使っている紙質では彩度やら細かい明るさの階調がデジタル画像に比べると、っていう点もあり、ですが、思えば漠然としたイメージのときはむしろ刷り上がった方のトーンだったかもしれないなと。実験的な作業はやはりそれなりの緊張感を伴いつつも改めて面白いなと思いました。

Model: カイル・ギブソン
Photography: Hirama Takashi
Hair: Nobuaki Yamazumi (www.ade-salon.com)

http://www.oughtclothes.org/

Mind Wanderer

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まさに今とりかかっている最中のタスクから無意識に抜け出してしまったり、何か考え事をしていたにも関わらずいつの間にか全然違うことを考えてしまったりと、詳しくは分からないけど注意散漫といった日本語訳があったり心理学用語なのか少し調べてみるとどちらかといえばネガティブな意味合いを持っていそうなマインドワンダリングという言葉。これが最近よく読み物にはまっていた自分が、何行も読み進まない間に読んでいる内容からインスピレーションを受けては読書から乖離しあれこれと空想のごとく物思いにふけ、そしてふと本を読んでいたんだと思い出し目と意識をまた自分がもといた本に戻しては現実に戻るような感覚に陶酔感にも似たような心地よさも覚えつつ、感覚的には空っぽの脳ミソの中を無数の電気信号がバチバチと高速で動き回ってるように思え、残念ながら宇宙にまでは意識がつながれなかったけど、これが個人差の程度は分からないけれど誰しもが経験してるであろうと、そして今回少しトーンを暗めに抑えようとしていたOUGHTの2014年秋冬用に描いたグラフィックのコンセプトにちょうど良いなとタイトルに「Mind Wanderer」と付けました。適当に直訳してしまえば「思考的放浪者」?、そしてこれがいつものHOBOコンセプトにもかかっています。

という前書きのもと今回のカタログ撮影は、よりコンセプチュアルなものにしたいなとざっくりイメージを持っていたところに写真の平間さんの実験的な撮影の提案を受けて、バックグラウンドに映像を投影しつつの撮影。今回は個人的思考ではあるものの、バッドではないダークなものにしたく、いわば”複次元に繰り広げられる正解の無い探求の旅であり、そこに生まれる心理的迷走や困惑・交錯といった深い闇に落ちていきそうになる瞬間に遭遇する外部的要因からの抜け道、すなわち夢想からの脱却”がテーマですw

あれこれ書きましたが、昔からコンセプトやらメッセージを明確に文字に起こしたり説明的にすることがとても野暮ったいと感じていて、そういうモノを言葉の代わりに視覚的に表現するっていうのが自分の選んだ方法や仕事と位置づけていて、それは当然今でも変わらないし物事の意味をどう捉えるかは受取手に委ねるのが最良だと考えていますが、でもその伝わらないなら伝わらなくても別にかまわないっていうスタンスから少し意識を変えて、ブログとしての個人的な備忘録でもありつつ、いつも自分の頭の中だけでふんわりとイメージだけしてあるコンセプトを整理してみるという意図も込めつつ、文章に起こしてみようかなという試み…。

ともあれindyivsualではカタログに先行してTシャツトートバッグが販売中です。