Tag Archives: ss2015

OUGHT S/S 2015

ought-ss2015-ctlg00
ought-ss2015-ctlg01ought-ss2015-ctlg02ought-ss2015-ctlg03ought-ss2015-ctlg04ought-ss2015-ctlg05
ought-ss2015-ctlg06ought-ss2015-ctlg07ought-ss2015-ctlg08ought-ss2015-ctlg09ought-ss2015-ctlg10
ought-ss2015-ctlg11ought-ss2015-ctlg12ought-ss2015-ctlg13

OUGHTの2015年春夏カタログ。
今回はどんな生き方を選んでも必要不可欠な「食」を絡めたコンセプト。

(”全て”の生物が食べる必要は無いにしても…)それが出来なければその生命の維持に関わる問題であるし、貧富を問わず誰しもが常に腹に入れるモノを工面せねばならないわけですが、そこには当然食の選択や味の追求というものも日常的に行われているわけで、それは一般的にこれだけ食文化や食にまつわる経済が大きく発展しているという事を見てもとれるように、「食」は単なる生命維持の本能的なプログラムのみならず、これはきっと快楽や生きてる目的の一つと言えよう、blah blah blah…

そんな理も分からず独りグルグルと考え出すとあまりに根源的すぎて脳ミソは悲鳴をあげるだけで、つまりはこの強引な紐づけ作文もままならず。ただとにかくこの人間社会で明日へとつながる食料をどういう手段にせよゲットし続けるのは基本原則、しかしそれだけの日々のルーティーンワークと化した食生活を送っているだけではちょっと面白くない、そして生きてる限り時間もお金も費やす対象でもある以上は何かもう少し欲しい。個人的にはそれこそ衣食住のみならず全ての物事に関して思うことですが、「金を出せば良い」でもないし、「美味しければ良い」でもない。そこはまた一つOUGHTの掲げる基本コンセプト「Nothing More, Nothing Less.(それ以上でもなく、それ以下でもなく)」にも通じる部分があるのかなと。禅問答のようだけれど、「なぜ人参?」という疑問が立つのであれば、「なぜ食べる?」もまた然り。この時として当然を当然視しないというグルグルとした思考をふまえつつ、今回はその「当然性」と同時に生活に彩りをもたらす「食」というモノの要素を少し加えることで、OUGHTらしいHOBO感に日常的なライフスタイルを掛け合わせてみました。要はその「当然なモノ」で彩りを添えた普通の画作りです。

僕のごたくはそこそこに、OUGHTのカタログ制作に僕が関わり出した2011年秋冬から続けてきたハガキサイズ。こじんまりと輪っかでつながりDIY感の漂っていたそのスタイルも振り返れば9シーズンほど続けて来ていましたが、今回様々なタイミングや理由を含んだ”頃合い”というモノもあり、以前のサイズよりも一回りほど大きくし(それでも小さいですが…)普通に中綴じへと仕様変更、変わらずオフセットの上質紙では表現しきれませんが、平間さんによる写真もまたフィルムに戻り、粒子の味わい深い仕上がりかなと。

Model : Remi (BE NATURAL)
Photography : Hirama Takashi
Hair : Musumi Miura
Location : debolbe Studio & Warehouse (debolbe.com)

http://www.oughtclothes.org/

Still Wandering

ogt-stillwandering

前回OUGHTの2014年秋冬用に考えたコンセプトとカタログのビジュアルではだいぶインナーに持って行った分、今回の2015年春夏はその”夢想”感から脱却すべく無関連に柑橘類を描こうとしてみたり季節感だけを意識して非コンセプチュアルなアプローチを目指していたものの、着地点が見えてこないまま締め切りにも迫られながら同時に様々な事に思惑しているうちに、最終的には前回のコンセプトに用いた「Mind Wandering」という言葉にも引っ掛けつつ、そのグルグルとした出口の見当たらない思考現象から文字通りに「Still Wandering」というテーマに落ち着きました。

グラフィックを直接的に説明すれば、ハットをかぶった、無作為に描かれた線で形作られた人の頭部。そこにはやはり思考的な意味合いも含まれ続けますが、文字通り「未だ放浪中」的な、先の見えない人生の旅を右へ左へ前へ後ろへグルグルグルグルと続けていく、現代におけるHOBO的な生き方を落とし込みつつ。
そのグルグルとした線は、誰しもが残してきた人生や思考の足跡であると同時に、善し悪しや正否の概念とは無関係かつ無条件に積み重ねられた経験であり記録である、という普遍的な意味合いも込めたデザインです。

というわけでIndyvisualでまたもカタログに先駆けて販売中です。