ナマで踊ろう / 坂本慎太郎

namadeodorou

遅ればせながら。

ゆらゆら帝国のメジャーの1stが出た当時とか、たぶんその次のアルバムぐらいまでは好きでよく聴いていたときもあったけれど、あれが98年とかであるならその後16年間ほとんど全く触れることなくいたのですが、この夏、事務所で仕事とか作業してる間に間接的に聴かされ続け、最初はほぼ耳をすり抜け、良いも悪いも無く「あぁ今はこういう感じなんだ」とかだけ思って全くひっかかってこなかったのに、この夏の終わりに気づけば、「これ名盤じゃん」と。聴きこむとその威力を発揮するアルバムと思いました。個人的には音的なものではなく歌詞そのものに。最近は言葉の力というものをよく考えていたっていうのもあったのかなと思いつつ。

音楽に関しては好み以外は一切語らないっていうのが10代の頃から決めてる事で(というか出来ない)ここはもう音楽的な考察は全くしないし、アレだのソレだの意味とか歌詞の意図を勝手に深読みとかする気もないけれど、映画とかでも破滅型の近未来的SF感とかが僕は好きで、子供の頃から恐ろしくもありそれでいてずっと惹かれ続けている絶望的で壊滅的な想像世界の状景が、このアルバムを聴いてるといともたやすく脳裏に浮かびあがってきてしまうわけです。これは恐ろしい。破壊力がすごい。インストの方を聴いてるとやっぱり全然違って聴こえるので、やはり言葉の力というのは強大なんだなと。

個人的には、僕の思う今の修復不能な世界への捉え方に重なって聴こえてくる部分は否めないけど、それでもどちらかというとドラッギーな空想の世界観が強くて、世界が滅亡したあとの平穏さを感じずにはいられない。

最初このMV観たときは気持ち悪いしか感想が無かったのに、もちろん何回観ても気持ち悪いけど、いまや色々な考え事も吹き飛ぶ始末…。

けしてこの世は地獄 なんて 確認しちゃだめだ
だって今みんなはここにいる

確認しちゃダメって言い回しが面白い。
絵もうまいし、アニメーションもうまいし、非凡が過ぎてます。