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Twenty Twenty









自分の中にある物事のプライオリティも激しく入れ替わったこのパンデミックな1年も残すところあと1日で、このまま茫然と新年を迎えてしまうというのも悪くはないものの、このタフな日々も時間が経てば案外忘れてしまいそうな感覚もあるので、格別言葉にしておきたいことも無いけれど、今年手に入れたContax IIと、フィルム1本分でお別れとなったHexarの写真とともに。

新型コロナがどうの経済がどうの案件がどうのはいくらでもあり過ぎるので、そこはもはや対処するしかないわけだから、それっぽいことは抜きにして、個人的にはこのパンデミックに初めての出産が絡んだことで、当然多大な影響も食らってはいるけれど、時としてそのことも忘れてしまうぐらい激変した日常と向き合っていたわけで。そこで感じたのは、パンデミックの有無は別としても社会的な距離がインターネットで狭まれば狭まるとされるほど、より物理的な距離感や直接的な繋がりの重要性、利便性とトレードオフされる色々が昔を懐かしむように思い起こされるなと。年齢的な物もありそうだけれど、わりと多くの人がそうなのではないかなと。カメラ一つとっても、子供が産まれるしって理由で最新のiPhoneに替えて、でも同時に1930年代のカメラを買って瞬間瞬間を切り抜こうとして、でも当たり前に思い通りに撮れていないし動画も含めてiPhoneには到底敵うわけもなく、それでも現像があがってみれば、やっぱりフィルムの持ち味はデジタルでは永遠に表現できないものがあるわけで、その時々や風景を映し出すのはフィルム写真でしか出来ないんじゃないかなと再確認。とはいえ大事なのはバランスであって、デジタルは情報量と速さ、アナログは偶然性と情緒、あたりかなと。ここでもオンとオフがマージ可能なのかは分からないけれど、来年あたり新たなソーシャルメディアの流れだったりっていうのはありそうだなと。何か必然的にも過去にあったようなものが新鮮味を帯びて登場するんじゃなかろうか。

そんなこんなで、社会的距離に引き続き注意を払いつつ、過ぎ去るのをじっと耐えて待つのではなく、変化を予見し変化を望みながら、新しいことに挑戦できる2021年に出来たら良いなと、ひっそりと決意し勉強した師走でした。

健康が一番です。

N Y C

今年の2月、縁あって、ニューヨークへ。

その1年ぐらい前、年末に1泊3日でオペラを観に行くという変な企画に乗っかり一応は行ったことがあるものの、実質ほぼ初めてでした。カメラは写ルンですの36枚撮り1つ。

アメリカというと、自分にとっては20代半ばに初めて訪れたLAに始まり、サンフランシスコ、ポートランド、シアトル、いつも行くのは西海岸ばかりで他の地域には格別訪れる機会も興味も無かったし、なんといってもカリフォルニアが最高だろうと疑わなかったし、暮らすならオレゴンの外れとか過ごしやすそうだなとか思ってみたり。でもやっぱり良質なアボカドとトルティーヤを求めるならLAだろうなとか、震災の直後は移住できないかなとかちょっと本気で考えてもみたり。

東海岸なんてとひとくくりに、人にどれだけ薦められてもニューヨークだけは全く興味を抱けなかったし、そんな訳だから今更感化されることも特にないだろうと、訪れてみることにした動機も家族的なことだったし、行ったあとの具体的な目的は一切無い状態で、それはもはや単なる散歩感覚に近く。
時間だけはあるしもう掘り出すしかないなと道中スリフトショップを巡るのをメインの活動にすえてみたものの、土地柄なのかしょぼい古着屋みたいなのばかりだし、スリフトじゃない気の利いたヴィンテージもののお店も含め、H&Mとかユニクロの服とかがやたらと多くて、形やデザインがいい物だとなおさらそうで、こんなものかーとなりつつ。

15年ぐらいまえに知り合っても実際に会えてはいなかった東側の友人にようやく会えたり、実際行ってしまえば、ディープなところに潜入するまでもなく、やはりあの空気感というのか、何も期待しないながらにもなんだかんだエンジョイしきってしまうものだけれど、毎日が過渡期に感じられる日々の中でこうして知らない土地に身を委ねてみると、思っていた以上に刺激を受けるもので、ここしばらく眠っていた自分の中の何かが揺り起こされるような感覚を覚えたり。

予想外に、自分の安易な想像と違っていただけとも言えるけれど、結論的にブルックリンよりマンハッタンが好きでした。何も知らないくせに、自分はどちらかといえばブルックリン、と昔からただそう思っていたけれど、それは確かにもっと若いときだったら影響を受けるのはそうだったかもしれないしその時に訪れていたらそのまま一番好きだったかもしれないが、マンハッタンの方が自分にはしっくりくる気がしました、暮らすわけでもないし。
実際のところ、ブルックリンも広いし、結果あまりよく知らないだけでもあって、色々回ってる時間が無かっただけというのもあるけれど、そんな中でブシュウィックは良かったなと。といってもリーガルな壁画に埋め尽くされてるようなエリアではなくちょっと離れた方。寂れた工業エリアのようなあのひらけた空間は、何もないからこそ、なんだか良かったなあと。旅行者目線で。

なにはともあれ、滞在中の時間をマンハッタン内で多くを割いたとはいえ、もちろんマンハッタンもシティバイクで半日かけまわってみたほど初めての旅行者目線なんですが、そもそもこんなに旅行っぽくアメリカに来たこともなかったけど、ニューヨークというか、そこはやはりマンハッタンなんだけど、なんかすげえんだなと。あくまでざっくりとだけれど、なんかすげえんだなと。アメリカの中では、やっぱりダントツなんじゃないかなと、何かが。そんな感覚でした。今でも好きなのは西海岸だけど、東京にも似たニューヨークの雰囲気は、何かしっくり来るものがあったなと。

その中でも訪れた中で格別気に入ったし感銘を受けたのは、New Museumと、Pace Gallery。New Museumは、やはり建物自体がすごいんでしょうけれど、細かい点を抜いて好きだったのは天井の高さとエレベーター。そして働いてる人たちの雰囲気。総じて良い空間に思えました。あとは、メインの展示も良かったけれど、以前台湾のトリエンナーレで見てから気に入っていたNathaniel Mellorsの展示を偶然見れたのも、あがりました。Paceも、その時の展示によるものだったかもしれないけれど、作品をどう見せるかというところに起因してるだろう、ライティングがとても良かった。やっぱり全てはライティングなんだと結論づけてもいいぐらいに作り込まれた空間でした。

アメリカに住みたいとかは無いけれど、確かにこういう場所にすぐ行けるとこに住んでたら良いよな、とはやはり思うし、まだまだ色々見れてない物も多いだろうし、次に行ける機会がいつなのか、案外すぐなのか、その前にカリフォルニア行かないの?という自問もありつつ、もしかしたら違う場所が先かなとかも思ったりしつつ。なんにせよ、何かきっかけになるような面白いものを自分自身作りださないとなと、刺激を受けないわけがなかった旅を振り返る備忘録として。

















台南

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10月に訪れたAREth台湾出張の週末、今年は台南市街へ。格別に目新しい何かを期待はせずとも、24枚撮りを1本だけ携え何かしらの記録にと。想像以上の暑さでさすがに消耗しつつも、甘めの味付けの台南料理に舌を打ちながら。
台湾には何回も来ているので市街地や観光スポットでは見慣れたものも多かったものの、裏路地に珊瑚の死骸を使って補修された建物の壁をたくさん見かけたのが南方的な印象でした。それが台南特有のモノとは計り知らずも。

最終的にやっぱり自分には台中が色々と程良いんだなと確信しつつ、そろそろ山方面に行くしかないなと思い知りつつ。多謝。

OUGHT S/S 2014

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OUGHTの2014年春夏物があがってきました。
合わせてサイトもリニューアル。(今回からiPhone縦だけを気にしたレスポンシブ対応に…)

Model: カイル・ギブソン
Photography: Hirama Takashi
Hair: Nobuaki Yamazumi (www.ade-salon.com)
Location: debolbe Studio&Warehouse (debolbe.com)

髭もじゃの透明感。
今回は白を基調としながらもテクスチャー感のあるdebolbe studioさんで撮影させて頂けたのもあり、自然光で撮ったフィルムならではの柔らかさみたいなものがより表現できたのかなと。毎度ながらこんな時代だからのフィルムの質感、ざらつき、粗さ、オーバー感、等々…。

ちなみに個人的な今シーズンの一押しは、デニム地のフロントスナップジャケットと、ひさしぶりに足を通した生デニムの1本、です。

http://www.oughtclothes.org/