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OUGHT S/S 2015

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OUGHTの2015年春夏カタログ。
今回はどんな生き方を選んでも必要不可欠な「食」を絡めたコンセプト。

(”全て”の生物が食べる必要は無いにしても…)それが出来なければその生命の維持に関わる問題であるし、貧富を問わず誰しもが常に腹に入れるモノを工面せねばならないわけですが、そこには当然食の選択や味の追求というものも日常的に行われているわけで、それは一般的にこれだけ食文化や食にまつわる経済が大きく発展しているという事を見てもとれるように、「食」は単なる生命維持の本能的なプログラムのみならず、これはきっと快楽や生きてる目的の一つと言えよう、blah blah blah…

そんな理も分からず独りグルグルと考え出すとあまりに根源的すぎて脳ミソは悲鳴をあげるだけで、つまりはこの強引な紐づけ作文もままならず。ただとにかくこの人間社会で明日へとつながる食料をどういう手段にせよゲットし続けるのは基本原則、しかしそれだけの日々のルーティーンワークと化した食生活を送っているだけではちょっと面白くない、そして生きてる限り時間もお金も費やす対象でもある以上は何かもう少し欲しい。個人的にはそれこそ衣食住のみならず全ての物事に関して思うことですが、「金を出せば良い」でもないし、「美味しければ良い」でもない。そこはまた一つOUGHTの掲げる基本コンセプト「Nothing More, Nothing Less.(それ以上でもなく、それ以下でもなく)」にも通じる部分があるのかなと。禅問答のようだけれど、「なぜ人参?」という疑問が立つのであれば、「なぜ食べる?」もまた然り。この時として当然を当然視しないというグルグルとした思考をふまえつつ、今回はその「当然性」と同時に生活に彩りをもたらす「食」というモノの要素を少し加えることで、OUGHTらしいHOBO感に日常的なライフスタイルを掛け合わせてみました。要はその「当然なモノ」で彩りを添えた普通の画作りです。

僕のごたくはそこそこに、OUGHTのカタログ制作に僕が関わり出した2011年秋冬から続けてきたハガキサイズ。こじんまりと輪っかでつながりDIY感の漂っていたそのスタイルも振り返れば9シーズンほど続けて来ていましたが、今回様々なタイミングや理由を含んだ”頃合い”というモノもあり、以前のサイズよりも一回りほど大きくし(それでも小さいですが…)普通に中綴じへと仕様変更、変わらずオフセットの上質紙では表現しきれませんが、平間さんによる写真もまたフィルムに戻り、粒子の味わい深い仕上がりかなと。

Model : Remi (BE NATURAL)
Photography : Hirama Takashi
Hair : Musumi Miura
Location : debolbe Studio & Warehouse (debolbe.com)

http://www.oughtclothes.org/

Still Wandering

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前回OUGHTの2014年秋冬用に考えたコンセプトとカタログのビジュアルではだいぶインナーに持って行った分、今回の2015年春夏はその”夢想”感から脱却すべく無関連に柑橘類を描こうとしてみたり季節感だけを意識して非コンセプチュアルなアプローチを目指していたものの、着地点が見えてこないまま締め切りにも迫られながら同時に様々な事に思惑しているうちに、最終的には前回のコンセプトに用いた「Mind Wandering」という言葉にも引っ掛けつつ、そのグルグルとした出口の見当たらない思考現象から文字通りに「Still Wandering」というテーマに落ち着きました。

グラフィックを直接的に説明すれば、ハットをかぶった、無作為に描かれた線で形作られた人の頭部。そこにはやはり思考的な意味合いも含まれ続けますが、文字通り「未だ放浪中」的な、先の見えない人生の旅を右へ左へ前へ後ろへグルグルグルグルと続けていく、現代におけるHOBO的な生き方を落とし込みつつ。
そのグルグルとした線は、誰しもが残してきた人生や思考の足跡であると同時に、善し悪しや正否の概念とは無関係かつ無条件に積み重ねられた経験であり記録である、という普遍的な意味合いも込めたデザインです。

というわけでIndyvisualでまたもカタログに先駆けて販売中です。

OUGHT F/W 2014

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暗く、黒く、とにかく暗く。

今年の春夏のときには兎にも角にも明るく、白を飛ばすイメージでやった反動も手伝ってか、今回の秋冬はグラフィックデザインからのコンセプトから来てる部分も大きいけれど、漠然と背景を真っ暗にしたいぐらいに思っていました。最初はどこかお化けの出そうなトンネルでの撮影なんてのも探りつつ、最終的には背面からプロジェクターを当ててのスタジオ撮りに。
時間も限られてる中撮影前の数日間に、夜中に街中で適当に撮影した映像素材を最近覚えたAfter Effectsを使っていじっては、シャッターを切るまでは画が全く分からない手探り状態の作業に不安も覚えつつ、テストシューティングも出来ない超実験的な流れに。さすがに今回は状況的にもフィルムは使えずデジタルのみでの撮影でした。そして仕上がり画が全く見えてなかったからこそ、その暗闇の中から偶然性によってつくり出される写真の数々。ある程度ギリギリのラインで服のわかる写真を選んだつもりですが、さらなる雰囲気重視でいけばもっと実験的というか前衛的というのか、面白い写真もたくさんありましたし、もしかしたらindyvisual店頭では使われるカモ?です。

しかしこの暗さ、だいぶ攻め過ぎかも、そんなことが印刷があがって来た後ですら脳裏をよぎりつつ、口にも出しつつ、ただもはやそもそも大多数に向けた物を作っているわけではないので、この暗闇の中にはそれを知る人にしか見えないモノがあるのかなとは思っています。その言葉には幾つかの含みを持たせつつ。
己のエゴとも言えますがあくまで表現にこだわりメインである服やモデルを見せること以上に雰囲気を重視し、そうすることで視覚的であると同時に、むしろそれ以上の感覚的な方向性でスタイルの表現ができていれば良いなと。

ただ今回印刷の方は諸事情色々というのもあり、いつも使っている紙質では彩度やら細かい明るさの階調がデジタル画像に比べると、っていう点もあり、ですが、思えば漠然としたイメージのときはむしろ刷り上がった方のトーンだったかもしれないなと。実験的な作業はやはりそれなりの緊張感を伴いつつも改めて面白いなと思いました。

Model: カイル・ギブソン
Photography: Hirama Takashi
Hair: Nobuaki Yamazumi (www.ade-salon.com)

http://www.oughtclothes.org/

Mind Wanderer

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まさに今とりかかっている最中のタスクから無意識に抜け出してしまったり、何か考え事をしていたにも関わらずいつの間にか全然違うことを考えてしまったりと、詳しくは分からないけど注意散漫といった日本語訳があったり心理学用語なのか少し調べてみるとどちらかといえばネガティブな意味合いを持っていそうなマインドワンダリングという言葉。これが最近よく読み物にはまっていた自分が、何行も読み進まない間に読んでいる内容からインスピレーションを受けては読書から乖離しあれこれと空想のごとく物思いにふけ、そしてふと本を読んでいたんだと思い出し目と意識をまた自分がもといた本に戻しては現実に戻るような感覚に陶酔感にも似たような心地よさも覚えつつ、感覚的には空っぽの脳ミソの中を無数の電気信号がバチバチと高速で動き回ってるように思え、残念ながら宇宙にまでは意識がつながれなかったけど、これが個人差の程度は分からないけれど誰しもが経験してるであろうと、そして今回少しトーンを暗めに抑えようとしていたOUGHTの2014年秋冬用に描いたグラフィックのコンセプトにちょうど良いなとタイトルに「Mind Wanderer」と付けました。適当に直訳してしまえば「思考的放浪者」?、そしてこれがいつものHOBOコンセプトにもかかっています。

という前書きのもと今回のカタログ撮影は、よりコンセプチュアルなものにしたいなとざっくりイメージを持っていたところに写真の平間さんの実験的な撮影の提案を受けて、バックグラウンドに映像を投影しつつの撮影。今回は個人的思考ではあるものの、バッドではないダークなものにしたく、いわば”複次元に繰り広げられる正解の無い探求の旅であり、そこに生まれる心理的迷走や困惑・交錯といった深い闇に落ちていきそうになる瞬間に遭遇する外部的要因からの抜け道、すなわち夢想からの脱却”がテーマですw

あれこれ書きましたが、昔からコンセプトやらメッセージを明確に文字に起こしたり説明的にすることがとても野暮ったいと感じていて、そういうモノを言葉の代わりに視覚的に表現するっていうのが自分の選んだ方法や仕事と位置づけていて、それは当然今でも変わらないし物事の意味をどう捉えるかは受取手に委ねるのが最良だと考えていますが、でもその伝わらないなら伝わらなくても別にかまわないっていうスタンスから少し意識を変えて、ブログとしての個人的な備忘録でもありつつ、いつも自分の頭の中だけでふんわりとイメージだけしてあるコンセプトを整理してみるという意図も込めつつ、文章に起こしてみようかなという試み…。

ともあれindyivsualではカタログに先行してTシャツトートバッグが販売中です。

OUGHT S/S 2014

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OUGHTの2014年春夏物があがってきました。
合わせてサイトもリニューアル。(今回からiPhone縦だけを気にしたレスポンシブ対応に…)

Model: カイル・ギブソン
Photography: Hirama Takashi
Hair: Nobuaki Yamazumi (www.ade-salon.com)
Location: debolbe Studio&Warehouse (debolbe.com)

髭もじゃの透明感。
今回は白を基調としながらもテクスチャー感のあるdebolbe studioさんで撮影させて頂けたのもあり、自然光で撮ったフィルムならではの柔らかさみたいなものがより表現できたのかなと。毎度ながらこんな時代だからのフィルムの質感、ざらつき、粗さ、オーバー感、等々…。

ちなみに個人的な今シーズンの一押しは、デニム地のフロントスナップジャケットと、ひさしぶりに足を通した生デニムの1本、です。

http://www.oughtclothes.org/