Tag Archives: mind wandering

なつ

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海の日的三連休の中日、柏の夢ファームで行われたAREth的BBQ&スケートボードに急遽参加し、この鬱蒼とした雨の日々に突如訪れた至福の時間。その久しぶりに遊び切った感覚に熱中症の余韻とともに浸りながら本格的な夏の到来を肌で体感しつつ、株分けした花麒麟の鉢を買いにいった東急ハンズで10代の頃からずっと欲しかったウツボカズラがいっぱいぶら下がってるのが目に留まり即購入。昔は手に入りにくかったような、売ってても結構良い値段してて手が出せなかった記憶もありますが、とにかく一株2000円で手に入れる事が出来、続ク良イ夏ノ幕開ケ感。

食虫植物の代表格であるウツボカズラにはちょっとした虫取りにもなってくれるんじゃないかという淡い期待も寄せつつ、「食」と言えば最近読んでいるWIREDの食べ物特集が結構面白かった。特にSoylentの記事は興味深い。個人的には惰性で食べるのも、健康や安全にやたらうるさいのも、あまり好きじゃないし楽しくなければ美味しくもない。たとえどんなに栄養が無いと言われようが夏にはキュウリが無性に食べたくなるし、効率だけを考え栄養価だけを摂取しようとするソイレントなんて全く宜しいと思わない。けれど近未来SF的強迫観念に軽く取り憑かれてる自分は逆にさらなる進化を期待してならない…。でもこの作ってる人たちは数年後には普通のモノを食べてそう。この号の中で地味に好きだった記事は「鉢植え都市」。常々庭が欲しいって思っていたけれど、鉢植えも良いもんだなと、そうこうして僕のマインドはうちに来たばかりのウツボカズラへとまた戻っていくのでした…。

OUGHT S/S 2015

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OUGHTの2015年春夏カタログ。
今回はどんな生き方を選んでも必要不可欠な「食」を絡めたコンセプト。

(”全て”の生物が食べる必要は無いにしても…)それが出来なければその生命の維持に関わる問題であるし、貧富を問わず誰しもが常に腹に入れるモノを工面せねばならないわけですが、そこには当然食の選択や味の追求というものも日常的に行われているわけで、それは一般的にこれだけ食文化や食にまつわる経済が大きく発展しているという事を見てもとれるように、「食」は単なる生命維持の本能的なプログラムのみならず、これはきっと快楽や生きてる目的の一つと言えよう、blah blah blah…

そんな理も分からず独りグルグルと考え出すとあまりに根源的すぎて脳ミソは悲鳴をあげるだけで、つまりはこの強引な紐づけ作文もままならず。ただとにかくこの人間社会で明日へとつながる食料をどういう手段にせよゲットし続けるのは基本原則、しかしそれだけの日々のルーティーンワークと化した食生活を送っているだけではちょっと面白くない、そして生きてる限り時間もお金も費やす対象でもある以上は何かもう少し欲しい。個人的にはそれこそ衣食住のみならず全ての物事に関して思うことですが、「金を出せば良い」でもないし、「美味しければ良い」でもない。そこはまた一つOUGHTの掲げる基本コンセプト「Nothing More, Nothing Less.(それ以上でもなく、それ以下でもなく)」にも通じる部分があるのかなと。禅問答のようだけれど、「なぜ人参?」という疑問が立つのであれば、「なぜ食べる?」もまた然り。この時として当然を当然視しないというグルグルとした思考をふまえつつ、今回はその「当然性」と同時に生活に彩りをもたらす「食」というモノの要素を少し加えることで、OUGHTらしいHOBO感に日常的なライフスタイルを掛け合わせてみました。要はその「当然なモノ」で彩りを添えた普通の画作りです。

僕のごたくはそこそこに、OUGHTのカタログ制作に僕が関わり出した2011年秋冬から続けてきたハガキサイズ。こじんまりと輪っかでつながりDIY感の漂っていたそのスタイルも振り返れば9シーズンほど続けて来ていましたが、今回様々なタイミングや理由を含んだ”頃合い”というモノもあり、以前のサイズよりも一回りほど大きくし(それでも小さいですが…)普通に中綴じへと仕様変更、変わらずオフセットの上質紙では表現しきれませんが、平間さんによる写真もまたフィルムに戻り、粒子の味わい深い仕上がりかなと。

Model : Remi (BE NATURAL)
Photography : Hirama Takashi
Hair : Musumi Miura
Location : debolbe Studio & Warehouse (debolbe.com)

http://www.oughtclothes.org/

Still Wandering

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前回OUGHTの2014年秋冬用に考えたコンセプトとカタログのビジュアルではだいぶインナーに持って行った分、今回の2015年春夏はその”夢想”感から脱却すべく無関連に柑橘類を描こうとしてみたり季節感だけを意識して非コンセプチュアルなアプローチを目指していたものの、着地点が見えてこないまま締め切りにも迫られながら同時に様々な事に思惑しているうちに、最終的には前回のコンセプトに用いた「Mind Wandering」という言葉にも引っ掛けつつ、そのグルグルとした出口の見当たらない思考現象から文字通りに「Still Wandering」というテーマに落ち着きました。

グラフィックを直接的に説明すれば、ハットをかぶった、無作為に描かれた線で形作られた人の頭部。そこにはやはり思考的な意味合いも含まれ続けますが、文字通り「未だ放浪中」的な、先の見えない人生の旅を右へ左へ前へ後ろへグルグルグルグルと続けていく、現代におけるHOBO的な生き方を落とし込みつつ。
そのグルグルとした線は、誰しもが残してきた人生や思考の足跡であると同時に、善し悪しや正否の概念とは無関係かつ無条件に積み重ねられた経験であり記録である、という普遍的な意味合いも込めたデザインです。

というわけでIndyvisualでまたもカタログに先駆けて販売中です。

Salida

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Salida(出口)へと一方向に流れるように、また断続的に進む事象と時間。
ただそれが出口とは限らず、出口のようで入り口でもあり、入り口のようで出口でもあり、時としてループを繰り返す。脱却をしようとすればするほど抜けることはできず、答えを求めたところに答えは存在しないもの。陰をつけない事で平面としての二次元の空間を五次元的に捉え、そんな正負も無い淡々とした思考の世界をイメージしてみました。過去数年を振り返りつつ、思うようなことが出来なかった2014年の思惑を一度に吐き出し・払拭しつつ。

1250 x 550 mm
acrylic on wood panel

ナマで踊ろう / 坂本慎太郎

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遅ればせながら。

ゆらゆら帝国のメジャーの1stが出た当時とか、たぶんその次のアルバムぐらいまでは好きでよく聴いていたときもあったけれど、あれが98年とかであるならその後16年間ほとんど全く触れることなくいたのですが、この夏、事務所で仕事とか作業してる間に間接的に聴かされ続け、最初はほぼ耳をすり抜け、良いも悪いも無く「あぁ今はこういう感じなんだ」とかだけ思って全くひっかかってこなかったのに、この夏の終わりに気づけば、「これ名盤じゃん」と。聴きこむとその威力を発揮するアルバムと思いました。個人的には音的なものではなく歌詞そのものに。最近は言葉の力というものをよく考えていたっていうのもあったのかなと思いつつ。

音楽に関しては好み以外は一切語らないっていうのが10代の頃から決めてる事で(というか出来ない)ここはもう音楽的な考察は全くしないし、アレだのソレだの意味とか歌詞の意図を勝手に深読みとかする気もないけれど、映画とかでも破滅型の近未来的SF感とかが僕は好きで、子供の頃から恐ろしくもありそれでいてずっと惹かれ続けている絶望的で壊滅的な想像世界の状景が、このアルバムを聴いてるといともたやすく脳裏に浮かびあがってきてしまうわけです。これは恐ろしい。破壊力がすごい。インストの方を聴いてるとやっぱり全然違って聴こえるので、やはり言葉の力というのは強大なんだなと。

個人的には、僕の思う今の修復不能な世界への捉え方に重なって聴こえてくる部分は否めないけど、それでもどちらかというとドラッギーな空想の世界観が強くて、世界が滅亡したあとの平穏さを感じずにはいられない。

最初このMV観たときは気持ち悪いしか感想が無かったのに、もちろん何回観ても気持ち悪いけど、いまや色々な考え事も吹き飛ぶ始末…。

けしてこの世は地獄 なんて 確認しちゃだめだ
だって今みんなはここにいる

確認しちゃダメって言い回しが面白い。
絵もうまいし、アニメーションもうまいし、非凡が過ぎてます。