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Still Wandering

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前回OUGHTの2014年秋冬用に考えたコンセプトとカタログのビジュアルではだいぶインナーに持って行った分、今回の2015年春夏はその”夢想”感から脱却すべく無関連に柑橘類を描こうとしてみたり季節感だけを意識して非コンセプチュアルなアプローチを目指していたものの、着地点が見えてこないまま締め切りにも迫られながら同時に様々な事に思惑しているうちに、最終的には前回のコンセプトに用いた「Mind Wandering」という言葉にも引っ掛けつつ、そのグルグルとした出口の見当たらない思考現象から文字通りに「Still Wandering」というテーマに落ち着きました。

グラフィックを直接的に説明すれば、ハットをかぶった、無作為に描かれた線で形作られた人の頭部。そこにはやはり思考的な意味合いも含まれ続けますが、文字通り「未だ放浪中」的な、先の見えない人生の旅を右へ左へ前へ後ろへグルグルグルグルと続けていく、現代におけるHOBO的な生き方を落とし込みつつ。
そのグルグルとした線は、誰しもが残してきた人生や思考の足跡であると同時に、善し悪しや正否の概念とは無関係かつ無条件に積み重ねられた経験であり記録である、という普遍的な意味合いも込めたデザインです。

というわけでIndyvisualでまたもカタログに先駆けて販売中です。

Salida

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Salida(出口)へと一方向に流れるように、また断続的に進む事象と時間。
ただそれが出口とは限らず、出口のようで入り口でもあり、入り口のようで出口でもあり、時としてループを繰り返す。脱却をしようとすればするほど抜けることはできず、答えを求めたところに答えは存在しないもの。陰をつけない事で平面としての二次元の空間を五次元的に捉え、そんな正負も無い淡々とした思考の世界をイメージしてみました。過去数年を振り返りつつ、思うようなことが出来なかった2014年の思惑を一度に吐き出し・払拭しつつ。

1250 x 550 mm
acrylic on wood panel

ナマで踊ろう / 坂本慎太郎

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遅ればせながら。

ゆらゆら帝国のメジャーの1stが出た当時とか、たぶんその次のアルバムぐらいまでは好きでよく聴いていたときもあったけれど、あれが98年とかであるならその後16年間ほとんど全く触れることなくいたのですが、この夏、事務所で仕事とか作業してる間に間接的に聴かされ続け、最初はほぼ耳をすり抜け、良いも悪いも無く「あぁ今はこういう感じなんだ」とかだけ思って全くひっかかってこなかったのに、この夏の終わりに気づけば、「これ名盤じゃん」と。聴きこむとその威力を発揮するアルバムと思いました。個人的には音的なものではなく歌詞そのものに。最近は言葉の力というものをよく考えていたっていうのもあったのかなと思いつつ。

音楽に関しては好み以外は一切語らないっていうのが10代の頃から決めてる事で(というか出来ない)ここはもう音楽的な考察は全くしないし、アレだのソレだの意味とか歌詞の意図を勝手に深読みとかする気もないけれど、映画とかでも破滅型の近未来的SF感とかが僕は好きで、子供の頃から恐ろしくもありそれでいてずっと惹かれ続けている絶望的で壊滅的な想像世界の状景が、このアルバムを聴いてるといともたやすく脳裏に浮かびあがってきてしまうわけです。これは恐ろしい。破壊力がすごい。インストの方を聴いてるとやっぱり全然違って聴こえるので、やはり言葉の力というのは強大なんだなと。

個人的には、僕の思う今の修復不能な世界への捉え方に重なって聴こえてくる部分は否めないけど、それでもどちらかというとドラッギーな空想の世界観が強くて、世界が滅亡したあとの平穏さを感じずにはいられない。

最初このMV観たときは気持ち悪いしか感想が無かったのに、もちろん何回観ても気持ち悪いけど、いまや色々な考え事も吹き飛ぶ始末…。

けしてこの世は地獄 なんて 確認しちゃだめだ
だって今みんなはここにいる

確認しちゃダメって言い回しが面白い。
絵もうまいし、アニメーションもうまいし、非凡が過ぎてます。

OUGHT F/W 2014

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暗く、黒く、とにかく暗く。

今年の春夏のときには兎にも角にも明るく、白を飛ばすイメージでやった反動も手伝ってか、今回の秋冬はグラフィックデザインからのコンセプトから来てる部分も大きいけれど、漠然と背景を真っ暗にしたいぐらいに思っていました。最初はどこかお化けの出そうなトンネルでの撮影なんてのも探りつつ、最終的には背面からプロジェクターを当ててのスタジオ撮りに。
時間も限られてる中撮影前の数日間に、夜中に街中で適当に撮影した映像素材を最近覚えたAfter Effectsを使っていじっては、シャッターを切るまでは画が全く分からない手探り状態の作業に不安も覚えつつ、テストシューティングも出来ない超実験的な流れに。さすがに今回は状況的にもフィルムは使えずデジタルのみでの撮影でした。そして仕上がり画が全く見えてなかったからこそ、その暗闇の中から偶然性によってつくり出される写真の数々。ある程度ギリギリのラインで服のわかる写真を選んだつもりですが、さらなる雰囲気重視でいけばもっと実験的というか前衛的というのか、面白い写真もたくさんありましたし、もしかしたらindyvisual店頭では使われるカモ?です。

しかしこの暗さ、だいぶ攻め過ぎかも、そんなことが印刷があがって来た後ですら脳裏をよぎりつつ、口にも出しつつ、ただもはやそもそも大多数に向けた物を作っているわけではないので、この暗闇の中にはそれを知る人にしか見えないモノがあるのかなとは思っています。その言葉には幾つかの含みを持たせつつ。
己のエゴとも言えますがあくまで表現にこだわりメインである服やモデルを見せること以上に雰囲気を重視し、そうすることで視覚的であると同時に、むしろそれ以上の感覚的な方向性でスタイルの表現ができていれば良いなと。

ただ今回印刷の方は諸事情色々というのもあり、いつも使っている紙質では彩度やら細かい明るさの階調がデジタル画像に比べると、っていう点もあり、ですが、思えば漠然としたイメージのときはむしろ刷り上がった方のトーンだったかもしれないなと。実験的な作業はやはりそれなりの緊張感を伴いつつも改めて面白いなと思いました。

Model: カイル・ギブソン
Photography: Hirama Takashi
Hair: Nobuaki Yamazumi (www.ade-salon.com)

http://www.oughtclothes.org/